サプライチェーン マネジメントの世界において、供給する製品の品質を保証することは、成功を収める上で大変重要です。一つの欠陥部品が、サプライチェーン全体を混乱させ、顧客の信用を失う場合もあります。本ブログでは、Minitabにおける1比率検定の使用方法について紹介するため、自動車製造業者向けサプライヤーが生産する給油ゲージの欠陥率を評価します。
問題の理解
あなたの会社が車両を製造しており、給油ゲージをサプライヤーに外注しているシナリオを想像してください。サプライヤーは評判が良く、あなたの自動車は、自社の高品質ブランドを代表するものであり、顧客に対する約束の一つは、安全性に注力することです。欠陥部品は望ましくありませんが、通常のばらつきについてあなたは理解しており、サプライヤーに対して許容できるしきい値として、2%の欠陥率を設定しています。サプライヤーを試験するため、給油ゲージのサンプルセットの較正試験を行い、欠陥率が許容可能なしきい値を超過していないかどうか判断します。
データの修正
あなたのチームは、先週供給された500の給油ゲージを選定し、それらの較正試験を実施します。500の給油ゲージのうち、正しく較正されないものが18ありました。
1比率検定:内容
1比率検定は、1標本比率検定または2群の比率差検定とも言われる統計ツールで、サンプルが持つ特定の特徴の比率が、既知のまたは仮定された集合比率から大幅に異なるかどうか判断するために使われます。今回の場合、欠陥率(欠陥のある給油ゲージの比率)が、指定された2%よりも大きいかどうかを確認することが目的です。
仮説の設定
本検定における仮説は、以下の通りです:
Minitabで検定を行う
次のように選択します:統計>基本統計>1比率
「統合データ」を選択します。
「イベント数」に、18を入力します。
「試行数」に、500を入力します。
「仮設検定を実行」にチェックを入れます。
「仮定比率」に、0.02を入力します
「オプション」をクリックします。
以下のように、ダイアログボックスに入力し、「OK」をクリックします。
結果の解釈
結果は、欠陥率は2%超であると示しています:
p値が0.05未満であることから、帰無仮説は却下し、故障率は2%超であると結論付けることができます。
ここまでで、故障率が想定を超えていることが判明したため、測定システムが正確であることを確認する必要があります。測定プロセスに、望ましくない偏りや分散があった場合、給油ゲージに実際の欠陥があると誤って特定してしまった可能性があります。(幸いにも、Minitabには、この特定目的のためだけに設計された測定システム分析モジュールがあります。)
ただし、測定システムについて確信がある場合、精度向上のため給油ゲージを再設計するように、サプライヤーに依頼することを検討しても良いかもしれません。または、サプライチェーンの円滑な稼働を維持するために必要な、高品質の部品を提供できる新規サプライヤーを探す時かもしれません。
サンプルサイズについても忘れずに検討する
製造プロセスから選定するサンプルは、無作為に選ばれなければなりません。500個の給油ゲージがすべて同じロットからのものであるか、同じ製造日である場合、分析ではロット間の変動や経時的な変動の原因が除外されます。結果には偏りがあるかもしれません。特に、サンプルに例外的に高品質、または低質な部品群が含まれている場合、その可能性があります。
Minitabで、賢明な意思決定を促進
Minitabの1比率検定を利用することにより、サプライチェーン マネージャーは、供給製品の品質について、データ駆動型の意思決定を行うことができます。このような分析は、製造プロセス改善のためにサプライヤーと密接に対策を取るなど、ビジネスが適切なアクションを取れるよう支援し、円滑なサプライチェーンと顧客満足度の向上へと繋がります。
サプライヤーの検定を行い、品質を改善する準備はいいですか?