情報技術(IT)部門が大量の未処理バックログを抱えていれば、それはさまざまな根本的な問題が潜んでいることを示唆する可能性があります。このブログでは、「チケット」とは、テクノロジーが期待どおりに動作していないことを会社に通知するためにユーザーが提起した問題を指すものとします。
原因が何であれ、結果として顧客の不満が生じます。さらには、顧客がより迅速な対応を期待して複数のチケットを提出することでバックログが膨らみ、問題が複雑化する可能性があります。Minitab Statistical Softwareおよび予測分析を活用することで、IT部門は問題の根本原因を特定して対処することが可能になり、その結果バックログが減少し(またはゼロになり)、顧客の満足度が高まります。
ある大手企業のIT部門は、サービスチケットのバックログが増大してきたため、チケットをクローズするのに要する時間を短縮するという目標を立てました。この目標を達成するために、チーム責任者は、チケットのクローズに最も重大な影響を与えるシナリオ(つまり変数)を特定することにしました。チケットをクローズする速度の背後にある原因を理解すれば、バックログの根本原因を明らかにできるためです。
そこでIT部門は根本的な理由を理解するために最も迅速にクローズできたチケットを調べることにしました。これらの洞察を適用することで、他のチケットのクローズ速度を短縮できると考えました。IT部門は過去10か月間に解決したチケットからデータを収集し、Minitab Statistical Softwareに入力しました。これには、人員数(つまりチームの規模)、完了したタスクの数、チケット解決後の顧客満足度調査、およびプロジェクトの規模に関する情報が含まれていました(5段階で測定)。
IT部門は取得したデータをMinitabの予測分析モジュールを使って解析し、どの変数が結果に最も重大な影響を与えたかを明らかにしました。IT部門にはデータサイエンスの専門家がいなかったから、便利さを考えてモジュール内に配置されている自動機械学習を活用しました。このツールを使って簡単に予測モデルを構築し、使用する最も正確なモデルを特定することができました。それによりチケットのクローズに重要な要素を効果的に特定できました。数式を見る必要はなく、チームの初期観察は相対変数重要度グラフが中心でした。グラフはここに表示します:
この初期データからは、チケット解決の速度にとって最も重要な要素はチームの規模(つまり人員数) であることがわかりました。興味深いことに、完了したタスクは2番目に重要な要素だが、チームの規模に比べて重要度がはるかに低いという結果でした。また、顧客満足度調査とプロジェクトの規模はどちらも大きな影響を及ぼすとは思われないことが示されました。
表面上、このデータはチーム責任者にとって納得できるものでした。チームの規模が大きいほど、チームはより早く問題を解決できるからです。
この情報を得たことで、チームには人員数の増加を求める十分な根拠ができましたが、それではどれくらい増員すればいいでしょうか? IT部門は人を増やして何の改善もないということだけは避けたいと思っています。リソースを効率的かつ効果的に配置する方法を理解する必要がありました。
幸いにも、チームには、Minitabの自動機械学習ツールが提供するもう1つの貴重なリソースとして、1つの予測子部分依存プロットがありました。IT部門はチームの規模が最も影響力のある予測因子であると特定したため、その因子のグラフ分析により多くの時間を充てることができました。Minitabからは次の結果が得られました:
チームの規模に基づいて、これまでのタスクの平均結果が表示されます。データからは、7人のチーム(約6日)と 10人のチーム (約2.5日) では問題解決に要する時間に大きな差があり、実に2倍以上の開きがあることがわかりました。
しかし、データは10人のチームと12人のチームではチケットを解決するのに要した時間に明確な違いがないことも示しています。したがって、このケースでは、効率を最大限に高めるためには10人のIT専門家からなるチームをチケット対応と問題解決に専念させることが最も合理的です。同様に重要な点として、人員数を増やすために大規模な投資が行われない限り、IT専門家が5人いるチームと7人いるチームではほとんど違いがないため、チームメンバーを1人増員しても効果は最小限にとどまることをデータは示しています。
この結果は、根本的に改善に向けたロードマップを示し、現在の問題を説明するため、非常に重要です。チケットのバックログを削減し、顧客満足度を迅速に向上させる明確なソリューションがあります。
さらに、データの視覚化によって、人員数に関する投資の必要性を浮き彫りにするだけでなく、問題の是正にどれだけの人員数が必要かについても、経営幹部の意思決定に説得力ある訴えを伝えることができます。