管理図は、工程が統計管理下にあるかを判断できる特別な時系列プロットです。XbarRや個別管理図など、広く使用されているものは、工程の比較的大きな変化(1.5+シグマ変化)を検出するのに優れていますが、小さな変化となると、別のものが必要になってきます。指数重み付き移動平均 (EWMA) 管理図はいかがでしょうか。
EWMAの重要な特性には、以下のようなものがあります。
EWMA管理図の最も大きな利点は、工程平均の小さな変化の検出に使えることです。早期検出により、素早く対応して工程を是正できるため、重要な利点です。
小さなポリプロピレン製の蛇口を製造している業者が、工程管理図を使って引張強度をモニタリングするとします。平均に小さな変化があるかもしれないと心配しています。
データの個別管理図では、工程が管理下にあることが示されました。ですが、観測値66のあたりに工程の小さな変化があるように見えます。
同じ工程データでも、EWMA管理図では、最後のデータ点に管理外フラグがあります。
工程平均に影響を与えていそうな特殊要因を探すために工程を調べて、排除することができます。
同じ概念を、あなたの組織で追跡している多数の測定結果に応用できます。個別管理図の兆候から突然の大変化または極端な事象を知ることができるかもしれませんが、EWMA管理図ならば、工程が中心からわずかにずれていて (中心から始まったと仮定)、製品の品質が悪化しているかを明らかにする可能性があります。 工程を詳細に見るために、すでに使っている図のどこにこのツールを応用できるか考えてください!
管理図を使用して、工程の特性をモニタリングすることが重要です。正しい管理図を選ぶことで、工程の変化があるときにそれを検出しやすくなります。従来の管理図は、工程の大きな変化に有効です。成熟した工程やとても敏感な工程の小さな変化を素早く検出する場面で、EWMA管理図の真価が発揮されるのです。