新車を買ったのに、100km走行しただけで故障したとします。エンジン警告灯が点灯し、修理に出すにも車をけん引してもらわなくてはいけません。これは保証の問題というだけでなく、製品信頼性の欠如に起因する市場全体の問題でもあります。
信頼性は、時間を経た製品の品質として定義され、統計的に言えば一定期間製品が故障しない確率です。
これは、シックスシグマのブラックベルトであり、Shainin RedXマスターでもあるSerhan Anac氏との共著記事です。Serhan Anac氏は、トルコのRobert Boschで11年間にわたって問題解決に携わってきたエキスパートです。
顧客品質プロジェクトを率いるAnac氏は、研究開発にもかかわっているため、モンテカルロシミュレーションや、より分析的なエンジニアリング手法だけでなく、信頼性にも関心を持っています。
統計学、データ科学、そしてMinitabの愛好家であるAnac氏は、彼の組織の工程改善や、日常的な製造問題に対する解決策の模索を支援しています。それで、Anac氏は喜んで自身のベストプラクティスを共有し、他の品質専門家がそのキャリアの中で学び、成長するのをサポートしたいと考えています。
このようなケースでは、相手方ブランド製造会社(OEM)の過失かもしれません。OEMは速やかに根本原因を見つけ、市場でまだ走行している他の車のリスクを割り出し、さらに何台の車が同じ問題を抱えるのか、あるいは何台の車がまったく問題なく走行を続けられる(サバイバーとも呼ばれます)のかを予測できるようにしなければなりません。リスクが高い場合は、その市場に出回っている車両のリコールが必要になるでしょう。
故障部分が見つかったら、未解決のリスク*を割り出して、一定期間内での確率を計算します。 一般的に、ライフデータ(サイクル、マイル、走行時間など)はあまり正規分布に適合しないため、Minitab Statistical Softwareを使用した予測にはWeibull分布モデルでの信頼性分析がおすすめです。
Minitab Statistical Softwareで信頼性分析を行うには、以下のデータが必要です。
故障台数
故障時の走行距離
故障日
故障部品の製造日
車両登録日
問題の期間中に製造された数量
上記のデータがあれば、Minitab Statistical Softwareでの分析に必要な入力事項をそろえることができます。
42台の車が、燃料噴射装置の不具合により故障しました。これは、OEMによって報告されました。この数字は、製造された1,190万個の部品と比較すれば少ない数字です。なぜなら初期故障も記録されていたからです。
一部の部品が故障していたとしても、サバイバーはまだ市中を走行しています。これまでのサバイバーの台数および走行距離を考慮する必要があります。
パラメトリック分布分析は、何台の車が故障する可能性があるかを計算するのに役立ちます。
Graph: Weibull Probability Plot
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車の年間平均走行距離は約4万5,000kmです。以下の表に、4万5,000km以下および13万5,000km以下の、推定累積確率が示されています。
表:累積故障確率
1,190万個の部品が製造されました。信頼水準95%の上限での推定では、予想最大返品故障確率は0.0000037になります。つまり100万個の部品のうち、3.7個が故障すると予想できます。
1,190万台の車のうち、44台の車が故障する可能性があります。
1,190万個の部品 x 100万個あたり3.7個の部品 = 44個の部品が故障する可能性
42台の車がすでに故障しているため、4万5,000km以下で返品される可能性があるのは2台であると予想されます。
OEMは通常、部品のサプライヤーと保証契約を結んでいます。部品は設定期間以前に故障してはなりません。
このデータ駆動型アプローチは有用です。
Minitab Statistical Softwareは、製品の信頼性計算に役立つ幅広い機能を提供しております。一部は、この例で示されました。
* 注記:リスクは、質的、量的に割り出されますが、このブログでは、量的側面のみに焦点を当てました。
ひらめきの瞬間に備えてください!市場投入までの時間と製品の信頼性が競争でものを言う変化の著しい業界で、世界をリードする照明器具会社Signifyがいかにして最新のイノベーションを素早く認証しているかをご覧ください。この1時間の事例紹介ウェビナーでは、W.D. van Driel教授とP. Watté博士が、Signify社(旧Philips Lighting社)のMinitab Statistical Softwareを使用した信頼性設計に光りを当てます。開発コストを削減し、設計のパフォーマンスとコンプライアンスを高め、製品設計の信頼性の試験を加速させる方法を、実例から学びます。今後数年間で高度な仕様を満たす製品を開発する予定であるならば、製品故障のリスクとその結果や、コストのかかるクレームを抑える方法を知ることができます。これは貴社および顧客のどちらにとっても役立つでしょう。