入院から退院までの期間を日数ではかる在院期間は、大部分の医療機関にとって、適切に取り組まなければコストがかさむ医療の側面です。患者フローを最適化することで、有益な治療、最小限の待ち時間、入院関連リスクへの最小限の曝露を促進し、また病床、医療機器、対応可能な臨床スタッフなどの資源を効率的に活用できるようになります。
米国保健福祉省公的保険制度運営センターの情報によれば、米国の全医療費の3分の1が入院の治療に属していることから、入院患者の在院期間をできるだけ管理することが重要です。とはいえ、複雑です。入院から退院までの期間で、患者の年齢、性別、病歴、その他の要因には、さまざまな影響力があります。
しかしながら、Minitabのような予測分析ツールがあれば、利用可能な大量のデータを用いて、患者の個々の結果を予測できます。医療機関の在院期間最適化の取り組みの例は、以下のとおりです。
米国オレゴン州の中規模病院が、資源をより適切に計画して使用するという目標を設定しているとします。運営優秀性チームには、過去2年間に来院した約8,500人の患者の情報を含むデータセットがあります。これには、年齢、性別、婚姻状態などの一般的な情報から、痛みの度合い、腫瘍の大きさ、白血球の数、赤血球の数などの医学的な情報まで、21の予測因子、関心変数が含まれます。こちらが、そのMinitabのワークシートです:
ワークシートには22列のデータがあります。最初の21列は患者の在院期間予測に用いる予測因子、変数を表し、列22は在院期間を表します。
機械学習のアルゴリズムは、使用可能なデータでコンピュータにパターンを認識するよう教えます。 Minitabの予測分析ツールには、分類木と回帰木(CART®)があります。回帰木は、データを類似の応答値に最適に分割する予測因子設定に基づいてデータを分割する一連の「はい」または「いいえ」ルールを作成することによって機能する決定木アルゴリズムです。このツールを使うと、以下を行うことができます:
回帰木を作成するために、運営優秀性チームのメンバーは開始 > 予測分析 > CART®回帰...をクリックします。
完了したダイアログボックスはこちらです。
Minitabには、以下のとおり、出力ペインにツリーダイアグラムが表示されます。ノードと呼ばれる2つの異なる形状があります。さらに他のノードに分割されるノード、分割されないノードがあります。分割されないノードは、終端ノードです。回帰木の各終端ノードは、予測因子設定の特定の組み合わせを表します。終端ノード数は、木の大きさを表します。この例で言うと、Minitabから出た木には、終端ノードが10あります。つまり、木の大きさは10です。
出力は、以下のとおり、相対的変数重要度のグラフを示します。このグラフは、患者の在院期間の分散を説明するうえで、各予測変数の相対的な重要度を百分率で順位付けしています。この例で言うと、年齢が、在院期間予測の際に最も重要な変数です。ガンの病期、婚姻状況、喫煙歴、腫瘍の数、白血球の数でも在院期間を予測します。
Minitabの…予測オプションを用いて、このモデルで予測することは簡単です。新しいケースの予測はこちらです。
結果は以下のとおりです。
出力が各予測変数で入力された値になる設定です。設定の真下と予測の下に、Minitabが適合値を表示します。この場合は、予測された平均在院期間です。この情報から、病院は以下のように予測できます:
53歳既婚男性、
...は、在院期間5.43日と予測。
MinitabのCART回帰を用いて、病院の運営優秀性チームは、患者の来院時にわかった情報に基づいて在院期間を正確に予測するのに必要なデータを入手しました。異なる状態の患者の平均在院期間がわかれば、必要なときに十分な資源を確保できるよう計画を調整できます。