今年の夏のある日の午後、我が家の部屋の温度は、(ウェザーチャンネルの電話の受付担当者が何と言おうが)400度に達しました。人間も溶ける暑さです。たまらなくなり、とうとうエアコンを買いました。エアコンのスイッチを入れて数分後には、異常事態を物語っていた肌の圧倒的なべたつきは消えていきました。もうこの先は夏の暑さを心配せずに過ごせるだろうと安心していました。
ところが1週間ほどすると、エアコンからキーキーという金属音がするようになりました。私はMerzbowのアルバムをいくつも持っているので、機械のささいな騒音公害など、肌の温度を安全かつ融点以下に保つためならなんのそのです。実際、時間が経つにつれ、エアコンの金切り音を楽しむまでになっていました。
ところが翌日、エアコンはもはや金切り音を出す以外には機能せず、冷気も出なくなり、音を楽しんでいる余裕はなくなりました。太陽が高く昇り、温度は上昇し、脳裏にはある言葉が浮かんできました。その言葉とは、
ところが翌日、エアコンはもはや金切り音を出す以外には機能せず、冷気も出なくなり、音を楽しんでいる余裕はなくなりました。太陽が高く昇り、温度は上昇し、脳裏にはある言葉が浮かんできました。その言葉とは、
保証分析。
どこかにエアコンのファンの寿命を予測するデータが存在し、この製品の1年保証に対してメーカー側でどれぐらいのコストがかかるかを定量化しているはずです。
保証コストの予測はビジネスに効く
顧客をがっかりさせたい(または、顧客なんて溶ければいいと思っている)メーカーなどありませんが、欠陥をゼロにすることはできません。それでメーカー側では顧客に満足してもらえるように保証を提供している場合がほとんどです。しかし、製品やビジネスの保証コストを予測することは困難であり、リスクを伴うことさえあります。予想外の問題が発生した場合、準備していた資金が少なすぎたり、スペアパーツが多すぎたりすると、大変なことになりかねません。また、資金を多く準備しすぎると、他のところで活用できる分が減ってしまいます。
将来の保証コストを自信を持って見積もるには、どうすればよいでしょうか?このエアコンのメーカーに勤めるとても頭のいい人たちはこの問題に取り組んできました。そして彼らがどんな風にこの問題に答えを出すのかは、私にもすぐにわかりました。
必要なのはわずかなデータだけです!滝のような汗が眉に流れてくる状態で、私はコストの見積もりを出してみようとノートパソコンを起動しました。
暑さにやられたのか、このメーカーが1年分のエアコン生産に対して毎月受け取るであろう返品台数が目の前に浮かんできました。翌年の保証請求の予測に必要なのは、過去12か月間の出荷台数と、毎月の返品台数だけでした。
将来の保証コストを自信を持って見積もるには、どうすればよいでしょうか?このエアコンのメーカーに勤めるとても頭のいい人たちはこの問題に取り組んできました。そして彼らがどんな風にこの問題に答えを出すのかは、私にもすぐにわかりました。
必要なのはわずかなデータだけです!滝のような汗が眉に流れてくる状態で、私はコストの見積もりを出してみようとノートパソコンを起動しました。
暑さにやられたのか、このメーカーが1年分のエアコン生産に対して毎月受け取るであろう返品台数が目の前に浮かんできました。翌年の保証請求の予測に必要なのは、過去12か月間の出荷台数と、毎月の返品台数だけでした。
将来の保証請求を予測するために必要なデータとは?
熱に浮かされた頭で見えてきたそのデータをMinitabの空白のデータシートに、以下のように入力しました。
このデータは、いわゆる三角行列の形式になっています。しゃく熱のリビングで少し溶け始めていた私ですが、保証分析を実行するには、この行列を通常故障するまでの時間のフォーマットに変換すべきだということはわかっていました。
私は、Minitabで[統計] > [信頼性/生存時間] > [保証分析] > [保証データの前処理]を選択しました。出荷 (販売) 数を表す列に「Ship」を入力しました。返品 (故障) 数を表す列に「Month1-Month2」を入力しました。開始時、終了時、度数をそれぞれ表す列が、データシートに魔法のように表われました。もちろん、Minitabが暑さで不具合を起こすことはありませんでした!
保証予測のためのデータ分析
すばやい分析ぶりで、熱中症になる前に作業を進めることができました。[統計] > [信頼性/生存時間] > [保証分析] > [保証の予測]を選択しました。ダイアログボックスで、[開始時間]に開始時期、[終了時間]に終了時期、[度数 (オプション)]に度数を入力しました。
次に、[予測]ボタンをクリックしました。 故障するまでの予測期間として「12」を入力しました。[各時間間隔の生産量]に「2000」を入力しました。息も絶え絶えになりながら、最後に各ダイアログボックスで[OK]をクリックしました。
次に、[予測]ボタンをクリックしました。 故障するまでの予測期間として「12」を入力しました。[各時間間隔の生産量]に「2000」を入力しました。息も絶え絶えになりながら、最後に各ダイアログボックスで[OK]をクリックしました。
保証の予測結果の解釈
ダウン寸前の私を尻目にすぐにグラフがポップアップ表示されました。
暑さで意識がもうろうとしていましたが、メーカーに返品される翌年の毎月のエアコン台数は、このグラフで簡単に確認できました。
しかし、Minitabのセッションウィンドウも出力でいっぱいでした。「現在の保証請求の要約」表を見ると、1年間に出荷された台数のうち、私のものを含めた635台が故障するという結果でした。
しかし、Minitabのセッションウィンドウも出力でいっぱいでした。「現在の保証請求の要約」表を見ると、1年間に出荷された台数のうち、私のものを含めた635台が故障するという結果でした。
興味深いですが、この情報は慰めになりそうでなりません。次に、「予測故障数」表で、今後数か月の潜在的な故障数と予測故障数を見ました。
将来の各期間の「潜在的な故障数」は、データ収集期間が終了する時点で故障するリスクがある個数に、それ以降の各期間において出荷される追加台数を足したものです。予測故障数は、データ収集期間が終了する時点から指定された将来の期間までに予測される故障数です。また、95%ポアソン信頼区間は、予測故障数に対する見込み値の範囲です。
上の表では、今から12か月の間に47,365台のエアコンがリスクにさらされます。95%の信頼度で、故障数は1,933~2,111ほどだと予想できます。私がエアコンメーカーだったら、これに応じて計画を立てることができます。
メーカー側では、私の故障したエアコンの返品を予想して、すでに計画しているだろうということがわかったので、何とか暑さを乗り越えて、保証条件に従って別のエアコンと交換しようという力が湧いてきました。こうして、残りの夏は自宅でとても涼しく過ごすことができました。
上の表では、今から12か月の間に47,365台のエアコンがリスクにさらされます。95%の信頼度で、故障数は1,933~2,111ほどだと予想できます。私がエアコンメーカーだったら、これに応じて計画を立てることができます。
メーカー側では、私の故障したエアコンの返品を予想して、すでに計画しているだろうということがわかったので、何とか暑さを乗り越えて、保証条件に従って別のエアコンと交換しようという力が湧いてきました。こうして、残りの夏は自宅でとても涼しく過ごすことができました。