モノを作るとき、私たちは工具のことを考えます。 モノを作る上でハンマーやドライバー、レンチ、機械は欠かせません。それと同様に分析ツールが重要です。問題を解決する適切な「ギア」がなければ、作ったモノが壊れたり、長持ちしなかったり、製造に時間がかかったり、予想よりコストがかかったりするかもしれません。当然のことながら、個別項目やコンポーネントが複雑であるほど、分析のための「インスツルメント」の必要性が増します。
バッテリーの設計・製作・製造のプロセスにはさまざま要素があり、複雑です。このプロセスにおける主な課題は、複雑に絡み合う化学的性質の管理です。バッテリーの性能は化学反応によって左右されます。
バッテリーはさまざまな材料でできており、それぞれにバッテリーの導電性・安定性・耐久性に影響を与える固有の特性があります。確かな品質および性能を得るには、製造プロセス全体を通じた厳格な管理と精度の維持が不可欠です。このことは、電気自動車などの安全最重視のアプリケーションで特に重要です。このマインドマップ(Minitab Workspaceで作成)は、そうした複雑さの内容を具体的に示しています。
ブレーンストーミングとプロジェクト管理テンプレートを利用して、問題、プロジェクト、望ましい結果を定義します
プロジェクトチャーターでプロジェクトを定義し、製品と製造プロセスの両方に寄与する項目をブレインストーミングすることは、課題そのものに取り組む上で非常に重要です。場合によっては、一から始めるのではなく、特性要因図やC&Eマトリックスなどの他のツールを使用して、パフォーマンス低下の原因を特定する必要もあるかもしれません。どちらにせよ、複雑な製品やプロセスに取り組む時は、実績のあるテンプレートを利用ことで、予想される結果をまとめ、成功を測定して、再現することができます。
アナリティクスを利用して、パフォーマンスの最大化に最適な化学物質と材料の最適な組み合わせを策定します
目的(容量、電圧、サイクル寿命など)を定義し、重要な要素を理解したら、バッテリーの性能や製造プロセスに影響を与える変数の組み合わせを最適化するための実験を策定します。全体実験やスクリーニング実験を実施したり、予測分析まで使用したりして最も影響の大きい要素を特定することができます。
信頼性ツールを利用して故障確率を見積もり、バッテリーの耐久性を改善する方法を特定します
理想的なパフォーマンスを実現するバッテリーを設計できたら、そのパフォーマンスが維持されることを確認する必要があります。加速寿命試験を利用すると、メーカーは短期間で数年間の使用をシミュレートして、バッテリーの信頼性を評価することができます。次に、故障モード影響解析(FMEA)を利用して、潜在的な故障モードを特定し、故障リスクを軽減するための対策を講じます。
バッテリーの初めてのバッチ製造、生産の本格化、大量生産のどの段階であれ、品質の維持改善は誰もが行うべき仕事です。 測定システム分析や統計的プロセス管理などの従来型のソリューション、あるいは機械学習などの新興技術のどちらを使用しているにせよ、堅牢な品質分析フレームワークを構築することで、製品のパフォーマンスを向上させながらコストと無駄を削減することができます。