人材の採用はあいまいな科学であり、過去の成績は必ずしも将来の結果を保証するものではありません。文化的な適性や個人的な状況などの要因は、各採用の成功に大きな影響を及ぼします。しかし、あいまいであれ、不正確であれ、科学は存在します。人事部門の幹部は、簡単なデータ分析を行うことで、成功する候補者を採用する可能性を大幅に高めることができます。MinitabのCART®コマンドを使用すれば、統計を理解していなくても「採用木」を構築することができます。
適切なセールス担当者を採用することは、どの組織にとっても重要です。ほとんどの会社で、最初の6~18か月間は、営業担当職への投資が損益分岐点に達することはありません。成績の低いセールス担当者を雇う機会費用は、採用プロセスのコスト増になります。
ここでは、医療機器会社の人事担当者になってみましょう。営業担当者の入れ替えを計画している対象製品は、最も売れている医療機器の1つなので、すばやく活動して、適切な候補者を採用することが不可欠です。
営業ではノルマが参考になります。最も簡単な方法は、セールスチームを2つのグループにわけることです。グループ1は年間ノルマを達成したグループ、グループ2は未達成のグループです。成長、収益、またはセールスチームに適した別の重要業績評価指標(KPI)でわけることもできます。
次に、経験年数、扱う分野の背景、大学の学業平均値、さらには性格など、他の測定可能な特徴を考えます。以下の例のとおり、人事担当者が選択した特徴は、採用時の経験年数、二値で定義される医療分野の経験(1は「はい」で、医療分野でセールスをしたことがある。0は「いいえ」で、経験がない。)、大学の学業平均値および性格(5が最も外向的で、1が最も内向的)です。
Minitab Statistical Softwareで、CART®分類木を使用して分析を実行すると、とても興味深い情報が得られます。MinitabのCART®コマンドによって、最適木(つまり、決定木シナリオ)を選択され、採用するのに最適なタイプの候補者を見つけることができます。
二値応答情報
樹形図
結果を見て、いくつかの洞察を得ることができます。決定木を見ると、理想的な候補者は性格ランクが4.5未満、学業平均値が3.15超の人であることがわかります。
性格が成功において重要な役割を果たすセールスですが、最も外向的な人が成功するわけではないことがわかります。性格ランクが5の人は、セールスとしては性格が強すぎて最適ではない可能性があることが示されています。
同じく興味深いのは、学業平均値が3.15超という数字であるところです。職務記述書で3.0を最低ラインに設定するよりも、調査を絞り込むことができます。
相対的変数重要度を見ると、性格と学業平均値は、セールス職で考慮すべき2つの最も重要な因子です。
驚くのは、医療分野の経験が成功に影響する因子として最も小さいことです。セールス人材を採用するときは、医療分野の経験がある人に限定する必要はありません。
モデルが応答をどれほど適切に分類できるかを評価することは、いつでも大切なことです。より高度なステップですが、モデルに自信の因子を追加します。「混同行列」は、モデルが応答をどれほど適切に予測したかを示す表です。
混同行列
このモデルでは、テストデータで93.1%の確率でノルマを達成すると予測された人は、実際にノルマを達成したため、予測が正しかったと言えます。同様に、95.4%の確率でノルマを達成しないと予測された人は、実際にノルマを達成しませんでした。これは、採用プロファイルの指標を構築するのに最適なモデルです。
データ駆動型の採用プロファイルは誰にでもいとも簡単に構築できます!しかもモデルを作成して理解するのに数分しかかかりません。これで、感覚的にではなく、重要な因子によって、候補者を選抜することに集中できます。
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