金融サービスの顧客体験の強化とデジタル化 Enhancing and Digitizing the Customer Experience in Financial Services

Minitab Blog Editor | 24 3月, 2021

トピック: Banking and Finance, CART, Minitab Statistical Software

去年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、経済が劇的に変化しました。突如としてテレワークが必要になった新しい世界で、企業はあっという間にその業務を変革してしまいました。最新のMcKinsey & Companyレポートによれば、企業は「顧客とサプライチェーンの相互活動、および社内業務のデジタル化を、3~4年前倒しした」のです。

Deloitteレポートによれば、コロナの前、金融サービス部門のデジタル化変革の対応は、バラバラだったそうです。その理由の一部は、顧客が受け入れるかどうか、そして企業が投資したいかどうかにかかっていたからです。コロナは、この慣習をたったの数週間で完全にひっくり返してしまいました。コロナが始まってから、Deloitteレポートによれば、「顧客の35%がオンラインバンキングの使用を増やし、PNC Bankの販売はデジタル比率25%から75%に跳ね上がった」そうです。そして、「10年かかっていたであろう変化が2か月」に凝縮されたそうです。

デジタル化は定着し、自動化はこの新しい需要に付いていくための1つの方法です。企業の管理職は、その問題の解決に役立つ新しいソリューションやツールを調べている暇があまりないことを、Minitabは理解しています。Minitabはおよそ50年、企業の管理職がデータの視覚化と分析をするお手伝いをしてまいりました。企業が自動化でより多くをより早く解決しようと努力しているのを垣間見ながら、当社はソリューション分析のアプローチを構築し、管理職の方々による最適なデータ駆動型の決定を可能にしています。Minitabを使用して自動化をしっかりと実行すると、状況を正確に予測し、促された手順を適切に実行して対処する限り、顧客エンゲージメントを高め、売上を伸ばすことができます。 

Minitab Statistical Softwareの自動化とデータ分析の活用が顧客体験の向上にどのように役立つのかを、2つの実用的な例で見てみましょう。

例#1:コールセンターでのクロスセルの機会を増やす

目標
クロスセルの機会に関心がありそうな顧客を特定する。

課題
ほとんどのコールセンターは、自動音声応答(IVR)システムを使用してコストを抑え、たくさんの通話に対応します。IVRは、クエリを解決するために、発信者を自動システムまたはライブエージェントにルーティングします。

他の製品を購入する傾向にある顧客を特定できる場合は、IVRシステムを変更して、顧客をライブエージェントにルーティングできます。

ソリューション
アナリストは、分類木および回帰木(CART®)などの予測分析を用いて、次のことができます。

    • 追加の製品を購入するまたは購入しない顧客のプロファイルの共通点を検出する
    • 追加の金融サービスを購入する典型的な顧客を区別するIVRアクションを想定する

Example of Financial Services Firm using CART

銀行は、上の図のようにCART分析を使用して、製品を多めに購入する可能性が2~3倍高い顧客セグメントまたは「ノード」を判断できます。

結果
クロスセルの機会を利用して追加購入する可能性が最も高いと統計的に検証できる顧客を自動的にライブエージェントにルーティングすることにより、エージェントは販売をより速く増やし、多めに購入する価値ある顧客へのサービスに多くの時間を費やすことができます。

IVRを調整して、追加購入に関心のない他の顧客が、ライブエージェントの介入なしにクエリを解決できれば、別の機会ができます。


例#2:クレジットカードを利用する顧客を増やす

目標
リスクを高めることなくクレジットカードの利用額を顧客に増やしてもらう低コストの特典プログラムを開発します。

課題
ほとんどの消費者がクレジットカードを何枚も持っています。カード会社の間ではウォレットの1位が争われています。消費者の好みを刺激してカードを気に入ってもらうには、消費者がカードの支出と借入を増やすことに十分値する特典の組み合わせを見つける必要があります。

ソリューション
実験計画(DOE)は、プロセスを駆動する主な要因を素早く効果的に特定できるようにするアプローチです。

Minitab Statistical SoftwareのDOEプラットフォームを使用すると、実施コストを増やさずに利用を増やしてもらうことを目的とした、複数の顧客特典(報酬プログラム、長い支払い期間、さまざまな期間の低金利)を作成、分析、最適化できます。このツールには、支出のバランスを取り、特典コストを最小限に抑え、信用リスクを低減できる最適化機能も含まれています。

「一般的に、実験計画や他の統計的手法は製造業界で使われると聞きます。
でも、応用できるところは限りなくあります。実験計画の原則を理解すれば、
サービスプロセスにも応用できることに気づくでしょう。」
金融仲介会社のMinitabのお客様


結果

顧客に自動的に提示可能な、カスタマイズされた提案と特典のリストを最適化して生成することにより、組織がコストや信用リスクを増やすことなく、顧客に利用を増やしてもらうことができます。

実験計画などのツールを使用して、スマートなデータ駆動型の意思決定ができ、会社全体に悪影響を与え得る変更のリスクを低減します。

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準備万端の自動化

顧客とその行動を理解することは、対策のデジタル化および自動化にとても役立ちます。これにより、顧客のサービス体験が向上し、最終的には組織の成功に貢献できます。

Minitabは、約50年、世界の数千社の企業や組織に、包括的で、クラス最高の使いやすい一連のデータ分析およびプロセス改善ツールを使用し、成功の実現のお手伝いをしてまいりました。データジャーニーの開始およびソリューション分析の統合アプローチへのアクセスをご希望の場合は、Minitabにご相談ください