昨年あたりから、「どうやってMinitabでB10ライフを計算すればいいのか」という質問を耳にするようになりました。私は統計専門家および工業技術者であり(この質問をお客様から受ける分野で働いたことはありません)、信頼性工学コースを受講しましたが、B10ライフのことを聞いたことはありませんでした。なので、ちょっと調べてみました。
B10ライフは、転がり軸受業界で始まり、今日、さまざまな業界で使用されています。製品の保証期間を割り出すのに、特に役に立ちます。母集団の製品のX%が不合格になるまでの期間である「BX」または「Bearing Life(軸受寿命)」という名前が、ルーツを表しています。
B10ライフは、機器の10%が故障するまでの期間です。製品寿命までに母集団の信頼性が90%になる時点、または製品の稼働存続確率が90%になる時点と考えることもできます。B10ライフのメトリックは、疲労破壊による特定時点までの特定バッチの軸受の故障10%以下という、転がり軸受業界の厳しい要件ゆえに、転がり軸受メーカーの間で一般的になりました 。
さて、この用語の意味がわかったので、質問をする人には、Minitabの信頼性分析でこのメトリックを簡単に計算できると、言えるようになりました(Minitabのソフトではどんな軸受ライフでも計算できますが、別のブログ記事用にとっておきます)。B10ライフは第10百分位数としても知られており、Minitabのセッションウィンドウに表示されるMinitabの百分位数表の出力で確認できます。
B10ライフは、他の信頼性メトリックとは異なり、故障の最大許容百分位数(または最小許容信頼性)を応用特有の時点と直接相関させます。
ですから、Minitabのセッションウィンドウ出力で百分位数表を確認することで、B10ライフを得ることができます。それでもまだ2つの疑問があるかもしれません。この表をどう作ればいいのか?どう解釈すればいいのか?と。
これらのものをペースメーカーに入れることはできません!
B10ライフの見つけ方、ステップ・バイ・ステップ
1,970台の心臓ペースメーカーについて、特定年数にわたるバッテリーの寿命を追跡および記録したとします。心臓ペースメーカーに患者の命が左右されるため、信頼性は極めて重要です!
心臓ペースメーカーのうち、1,019台について、正確な故障時間(バッテリーの低電力信号が検出された時期として定義した時間)を観察しました。残りの951台では、バッテリーの低電力の警告がなかったため、「生き残りました」。
データは以下のように整理されました。
故障と心臓ペースメーカーが特定の時間を超えて存続していることを観察した場合、そのデータを「右打ち切り」と呼びます。工程の知識から、ワイブル分布がバッテリーの寿命を最もよく表すこともわかります。この情報を知っていると、Minitabの信頼性分析を正しく用いることができます。
信頼性分析の設定
右打ち切りデータがあり、分布がわかっているため、Minitabの [統計] > [信頼性/生存時間] > [分布分析(右打ち切り)] > [パラメトリック分布分析] メニューにアクセスして、B10ライフを計算できます。
さまざまな時点でのバッテリーの信頼性、つまり生存確率を知りたいので、関心がある変数はバッテリーが生存した年数です。[パラメトリック分布分析] ダイアログで、ワイブル分布が仮定する分布としてすでに選択されていることがわかります。ワイブル分布がバッテリーの寿命を最もよく表すことがわかっているので、このデフォルト設定のままにします。
また、「年」列の数値が、正確な故障時間だったか、打ち切り時間(この時間を超えてバッテリーが存続した)かもわかります。打ち切りデータを考慮に入れる必要があります。[打ち切り] ボタンをクリックすると、記録された時点で心臓ペースメーカーが存続したか、それとも故障したかを示す値の打ち切り列を含めることができます。Minitabワークシートでは、[故障したか存続したか] が打ち切り列です。打ち切り値は「S」すなわち「Survived(存続した)」です。これは、心臓ペースメーカーのバッテリー追跡期間中に故障が観察されなかったことを示します。
百分位数表とB10ライフの解釈
すべてのダイアログで[OK]をクリックして分析を実行すると、Minitabで百分位数表が出力されるので、ここでB10ライフを確認します。
10が表示されている [パーセント] 列の百分位数値は、バッテリーのB10ライフが6.36年であることを示しています。言い換えると、6.36年は、バッテリーの母集団の10%が故障する時期です。
こんな感じです。次に製品のB10ライフを計算して適切な保証期間を割り出すときは、Minitabの信頼性ツールと百分位数表があれば、それ以上何かを探す必要はありません。
Case study:
Time-to-Market and Design for Reliability at the Speed of Light in Signify
Get ready for a light bulb moment! In a fast-changing industry where time-to-market and product reliability give a competitive edge, discover how the world’s leading lighting company Signify, rapidly validates new innovations. In this one hour webinar, Prof W.D. van Driel and Dr P. Watté will shed a light on design for reliability (DfR) using Minitab Statistical Software at Signify, the former Philips Lighting. Learn from real-life examples their methods to lower your development costs, improve your designs’ performance and compliance, and accelerate the testing of product design reliability. If you develop products intended to meet high specifications for years to come, you will discover how to reduce the risks and consequences of product failure and costly claims - for you and your customers.