私の最初の記事「Minitab 統計ソフトでB10ライフを計算する方法」では、B10ライフとは何か、Minitabでこの値がどう計算されるかを説明しています。次の記事「BXライフを計算する方法パート2」では、MinitabでBXライフを計算する方法を示しています。このBXライフブログシリーズを締めくくる前に、なぜBXライフが信頼性測定の最良の手段の1つなのかというLinkedInの質問に答えることにしました。同じ疑問を持っている方がいるかもしれませんし。
BXライフは、製品の保証期間を決める際に便利な指標になります。なぜでしょうか?機器のX%が故障するまでの期間が示されるためです。メーカーは製品のB10ライフの後に保証期間を設定するかもしれません。たとえば、購入した製品が保証期間内に故障して保証を利用する顧客の数を最小限に抑えることを目的にしてです。当然、Minitabで保証分析を行う人は、この値も計算するでしょう。ですが、三角行列で記録されている現場の信頼性データを見ても、B10ライフの計算方法ははっきりとはわかりません。
一般的には、現場の信頼性データを、出荷された製品の数と特定の出荷から時間が経過して返送された製品の数で追跡します。また、異なる日に複数の出荷が行われ、それに対応する返品が記録されている場合、記録されたデータは三角行列の形になります。
Minitabには、出荷および保証の返品データを行列形式から標準の故障の信頼性データ形式に変換するツールがあります。
新しい例と新しいデータからデモンストレーションしてみます。Minitab 17.3以降を使用していて、一緒にデモンストレーションをやってみたい方は、オンラインヘルプに移動して、Compressor.MTWファイルを選択します。
データはこんな風になっています。
ここから、Minitabの[保証データの前処理]を使用して、データを三角行列から区間打ち切りに再形状化できます。[統計] > [信頼性/生存時間] > [保証分析] > [保証データの前処理]を選択します。[出荷 (販売) 列]に、[出荷]を入力します。[返品 (故障) 列]に、[1ヶ月目–12ヶ月目]を入力します。[OK]をクリックします。
前処理ステップでは、ワークシートに「開始時間」、「終了時間」、「度数」列が作成されます!
この列を使用して、[統計] > [信頼性/生存時間] > [分布分析 (任意打ち切り) ] > [パラメトリック分布分析]と進み、BXライフを得ることができます。[開始変数]に開始時間を入力し、[終了変数]に終了時間を入力し、「度数列 (オプション) 」に度数を入力します。また、適切な[仮定する分布]が選択されていることを確認します。ワイブル分布がデータに適合すると仮定します。
[推定]ボタンをクリックして、デフォルトの出力に加える推定百分位数を入力します (この場合では、B15ライフにし、[次の追加パーセントに対する百分位数を推定する]に15を入力します) 。
このダイアログで[OK]をクリックすると、Minitabで分析が実行されます。Minitabの出力には、B15ライフの値すなわち母集団の製品の15%が故障する時間を含む、便利な百分位数表が表示されます。
こんな感じです!
Minitabで保証データを集めて保証分析を行っても、信頼性ツールやBXライフなどの指標を使えなくなるわけではありません。[保証データの前処理]ツールを使用してMinitabで形を整えると、信頼性分析を実行するときの作業が楽になるばかりです。
さて、一連の記事の締めくくりに向けて順調に作業をしていますから、次回の記事で、BXライフが信頼性ツールセットに適した追加指標である理由をご覧ください。
ひらめきの瞬間に備えてください!市場投入までの時間と製品の信頼性が競争でものを言う変化の著しい業界で、世界をリードする照明器具会社Signifyが、いかにして革新を迅速に検証するのか、ご覧ください。この1時間のウェビナーでは、W.D. van Driel教授とP. Watté博士が、旧Philips LightingのSignify社で、Minitab Statistical Softwareを使用した信頼性設計に光りを当てます。開発コストを削減し、設計のパフォーマンスとコンプライアンスを高め、製品設計の信頼性の試験を加速させる方法を、実例から学びます。今後数年間、高度な仕様を満たす製品を開発する予定である場合に、製品故障と高くつくクレームのリスクや影響について、貴社および顧客のどちらにとっても抑制となる方法をご覧ください。(英語で提供)